Message from President
日機装の未来をつくる皆さんへ
代表取締役社長 甲斐 敏彦
私たち日機装は、産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品などを主力製品としている会社です。日機装の製品は、自動車や家電製品のように、私たちの生活のなかで見かけることはほとんどありません。そのため、「日機装とはどのような会社ですか。」と聞かれたときにうまく説明できなくて困るという社員の声を聞くことがあります。
しかし日機装は、その歴史のなかで「日本にはなかった技術」「日本にはなかった製品」で新しい市場をつくり上げてきました。発電所用の水質調整システムや、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の航空機部品、血液透析装置などは、日機装が日本で初めて手がけたものです。そして今や、世界のオイルメジャーや大手石油会社、エンジニアリング会社に向けた特殊ポンプ・システムをはじめ、世界各地で運航されている航空機に向けたCFRP製航空機部品、日本はもちろん、欧州や中国など世界各地に展開している血液透析装置など、それぞれの産業分野で高いシェアをもつ製品を有するに至っています。
これからも、「日機装だからこそ」と、多くの方々に選ばれ続けるメーカーでありたいと考えています。難しい課題に果敢に挑戦し、社会をリードすることが日機装の使命であり、創業以来の文化です。今までも、これからも、私たちは日機装の伝統を守り、技術の力で社会に貢献し続けていきたいと考えています。
日本の社会や経済は、今、大きな変動、変革の真っただ中にいます。企業のあり方も過去の名声や規模の拡大に頼った経営では立ち行かなくなっています。幸いにも、日機装の活動の場であるエネルギー業界や医療業界、航空機業界はそれぞれに成長分野とみられており、そうした意味では、日機装は大きな可能性をもった企業と言えます。しかし、可能性があることと、その可能性を実現する力があるかどうかというのは全く別の話なのです。
私たち日機装は、目の前にある可能性を実現に結び付けていくため、行動を起こそうとしています。2014年にノーベル物理学賞を受賞された赤崎先生、天野先生と共同で実用化をめざしてきた「深紫外線LED」も、空気や水の殺菌や樹脂硬化など、具体的な用途開発が進み、2016年に、ようやく事業としての第一歩を踏み出すことができました。この新しい分野においても、他社に負けない高度な技術力に裏付けられた製品とサービスで、世界中のお客様にご満足いただける、まさに日機装を象徴するような事業にしていきたいと考えています。
日機装は、若い皆さんが大きな夢を抱き、熱い情熱を燃やして、力を尽くすのにふさわしい会社です。皆さんも自らの意思をもち、やり抜く覚悟をもって、課題に立ち向かってください。そして何事にも挑戦していく気概をもってください。日機装の未来は、そこから開けるのだと、私は信じています。